White Paper脆弱性管理・対応プロセス年次レポート2025‐2026
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この資料でわかること
- CVSSスコアだけで優先順位を付けることが、なぜ現場の「アラート疲労」を招くのか。
- 自社環境のコンテキストを加味したリスクベース評価(SSVC)で、対応対象をどこまで絞り込めるか。
- 即時対応が必要とされた脆弱性でも、実際の修復にどれだけの時間がかかっているか(MTTR)。
- 検知される脆弱性がどのレイヤー(OS・ライブラリ・アプリ)に集中しているか。
- Excelなどの手動管理から、組織的なプロセス管理へ移行するための考え方。
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本資料の概要
本資料『脆弱性管理・対応プロセス年次レポート2025-2026(FutureVuls Foresight Vol.3)』は、国内組織で検知された約1,124万件の脆弱性アラートを分析し、CVSSスコア偏重の優先順位付けがなぜ「アラート疲労」を招くのか、そしてリスクベース評価(SSVC)でどこまで対応を絞り込めるかを、実データで示すレポートである。提供元はフューチャー株式会社 Cyber Security Innovation Group(CSIG)。
主要データ(母数・出典・年付き)
- 本レポートは、FutureVulsが2025年に国内組織で検知した脆弱性アラート約1,124万件を分析したものである(自社実測・2025年)。
- 検知したユニーク脆弱性45,779件をCVSSスコア別に分析したところ、54.0%が「High(高)」以上の深刻度に分類され、スコア単体での優先順位付けが「アラート疲労」を招く構造的要因であることが判明した。
- 自社環境のコンテキスト(攻撃コードの有無・ネットワーク到達性・業務影響度)を加味したリスクベース評価(SSVC)を適用したところ、即時対応が必要な脆弱性を全体の0.06%まで絞り込めた。
- SSVCで最も危険度が高い「Immediate(即時対応)」に分類された脆弱性の修復リードタイム(MTTR)は、平均88.6日・中央値45.8日であった。安全なパッチ適用には相応の検証期間を要する。
- 検知アラートの97.7%(8,949,384件)がOSパッケージ由来であり、ライブラリ層(0.4%)等を大きく上回った。インフラ基盤の維持管理が高負荷であることを示す。
結論
CVSSスコアは有用だが、ユニーク脆弱性の54.0%がHigh以上に集中する以上、スコア順の対応は現場を疲弊させるだけで優先順位付けとして機能しない。実際の悪用状況とネットワーク到達性・業務影響という自社環境を掛け合わせるリスクベース評価(SSVC)によって、対応対象を0.06%まで絞り込める。限られた人員で真の脅威に集中するには、CVSS依存からリスクベース運用への転換が現実解となる。
関連資料(FutureVuls Foresightシリーズ)
- Vol.4 金融機関向けフロンティアAI脅威対応 実務ガイド(短期版) ― 金融庁・日本銀行が2026年5月22日に連名発出した要請の9項目を逐条解説し、概ね1ヶ月での至急点検チェックリストを提供する短期版。
- Vol.2 ソフトウェアサプライチェーン健全性レポート2026 ― FutureVuls登録の実運用OSS約1.6万件を分析し、OSSの約半数が陳腐化(ゾンビ化)している実態と、CRA等による法的負債化を解説。
- Vol.1 大企業のセキュリティ対策実態調査 ― 大企業(従業員1,000名以上)の情報システム・セキュリティ担当者107名への意識調査。脆弱性管理の「理想と現実」の乖離を定量化。
FutureVuls は、フューチャー株式会社が開発・提供するクラウド型(SaaS)脆弱性管理サービスであり、脆弱性の検知・情報収集・優先順位付け・対応管理を自動化します。
よくあるご質問
この分析のデータ規模と時期を教えてください。
FutureVulsが2025年に国内組織で検知した脆弱性アラート約1,124万件を分析したものです。このうちユニーク脆弱性は45,779件です。
CVSSスコアはもう使えないのですか。
無意味ではありませんが偏重には限界があります。検知したユニーク脆弱性の54.0%がCVSS High以上に集中しており、スコア順では対応対象を絞り込めず、アラート疲労を招きます。
リスクベース評価(SSVC)でどれくらい絞り込めますか。
攻撃コードの有無・ネットワーク到達性・業務影響度といった自社環境のコンテキストを加味することで、即時対応が必要な脆弱性を全体の0.06%まで絞り込めました(FutureVuls 2025年実測)。
脆弱性の修復にはどれくらい時間がかかりますか。
即時対応とされた脆弱性でも、修復リードタイム(MTTR)は平均88.6日・中央値45.8日でした。エンタープライズ環境ではQAテストや影響調査に相応の期間を要するためです。
1,124万件のデータが示す、脆弱性管理の「現実」と「最適解」
Data-Driven Insights
本調査では、2025年に国内組織で検知された約1,124 万件の脆弱性アラートを分析し、エンタープライズ環境における運用の実態を明らかにしています。
課題CVSS評価の限界
FutureVulsで検知されたユニーク脆弱性におけるCVSS深刻度の分布(全45,779件)をCVSSスコア別に分析を実施しています。
結果として、全体の54.0%が「High(高)」以上の深刻度に分類されており、スコア単体での優先順位付けが 現場の「アラート疲労」を招く構造的な要因となっていることが明らかになりました。
解決リスクベース評価(SSVC)の威力
自社環境のコンテキストを加味したリスクベース評価「SSVC(Stakeholder-Specific Vulnerability Categorization)」を活用したところ、即時対応が必要な脅威をわずか0.06%に絞り込め、ノイズを劇的に削減できました。
自社環境における「攻撃コード (Exploit)の有無」や「ネットワー ク到達性」「ビジネスへの影響度」 といったコンテキストを掛け合わせ てトリアージを行うことで、アラー トの波から真の脅威を抽出し、即時対応を絞り込めます。
現実エンタープライズのMTTR(修復リードタイム)
SSVC評価によって最も危険度が高いとされた
「Immediate(即時対応)」の脆弱性に対する修復リードタイム(パッチ適用または代替策の完了まで)を調査したところ、平均日数は88.6日、中央値(Median)は45.8日でした。
ミッショ ンクリティカルなシステムにおいてパッチ適用による システム障害(デグレ等)を防ぐため、事前のQA(品質保証)テスト、影響範囲の調査、関係部署(インフラ部門とアプリケーション部門等)との適用スケジュー ルの調整を安全に行うための「エンタープライズ企業における現実的な必要検証期間」を示しています。
死角アタックサーフェスと「隠れた負債」
サイバー攻撃者は常に企業の「最も管理が行き届いていない場所」を狙う。本調査では、検知された脆弱性の環境(アタックサーフェス)別の傾向と、システムのライフサイクルに起因する構造的な課題を分析しています。
日々発生する脆弱性対応タスクの圧倒的多数をOSレイヤーが占めており、インフラ基盤の維持管理がいかに高負荷であるかが伺える。ソフトウェア種別ごとの検知傾向を見ると、全体の97.7%(8,949,384件)がOSパッケージ由来のアラートであり、ライブラリ層(0.4%)やプライベートなアプリケーショ ン層を圧倒していることが可視化判明しました。
- お役立ち情報
- 脱CVSS依存の脆弱性マネジメント





